神楽坂時間

神楽坂時間

価値を知る大人たちが楽しむ街。

「ラ・トゥーエル」は1992年にオープンし、神楽坂では古参に入るフランス料理店です。私が4代目シェフとして入ったのが2012年。当時の神楽坂の印象は、古くて伝統のあるお店が多いイメージでした。実際に来てみると、逆に若い世代ががんばっている評判の高いお店がどんどん増えていて、新陳代謝のある街なんだなと。歴史のある店でもシェフの代替わりが進んでいたり、その“リノベーション”されている感じが面白いと感じます。そういった神楽坂のグルメシーンを、お食事に価値を求める落ち着いた大人の方たちが様々に楽しまれている。当店のお客様には、文京区をはじめ周辺の高級住宅街にお住まいの方や、九段下や御茶ノ水、水道橋が近いので医療関係・出版関係の方も多く、神楽坂ならではだと思いますね。ほとんどが予約のお客様なのですが、たまに、ふらっと予約なしで立ち寄られる方もいて、そういう気軽なスタイルでフランス料理を楽しまれる方がいらっしゃるのには驚きました。

伝統の枠の中で新しさを発信。

神楽坂の好きなところは、街の規模。広過ぎない範囲に色々なお店が密集していて、高級店から新進気鋭の名店、気軽なバーまで幅広いのが魅力です。自分自身、この近くに住んでいることもあり、休みの日や店が早く終わった日には、行きつけの蕎麦屋やバル、焼鳥屋にふらりとご飯を食べに行くことも。神楽坂はフレンチの多い街といわれていますが、一口でフレンチと言ってもいわゆるビストロやブラッスリーなど様々です。そんななかで当店が「フランス料理店」として発信していきたいのは、ワインと料理の組み合わせなど、フランス料理らしい美味しさとか面白さ。ほかのジャンルにはない奥深さや余韻というのがあるので、そういった部分を伝えられればと思っています。そのためには伝統的なフランス料理の枠のなかで、常に何か新しいものをやっていきたい。守るべきところは守り、その枠のなかでアレンジをしていくというスタイルで、お客様を楽しませたいと思っています。